妊娠中の超音波検査の要点は
妊婦様側:胎児や母体に検査のリスクはなく、とっても楽しく元気な姿が見られて親になる自覚が倍増
医療側:何かの異常があったら、先に手を打ってよい方向にもってく事が可能
さらに時系列ごとに要約すると
・初期は尿中の妊娠検査薬の陽性反応より約1週間遅れをとってGS(胎嚢)が見える。
・GSが見えて約1週間から10日後には胎児心拍が見える。
・胎児心拍が見えてからよほどの事が無い限り流産の可能性は下がる。
・胎児心拍が見えた頃が母子手帳をもらいに行くのにちょうどいいと考える。
・妊娠8週から12週くらいで一時的に胎児の浮腫が出現するとダウン症などの染色体異常を疑う(浮腫:NTやCHなど)。また、その後、その浮腫状変化は消失することが多い。
・妊娠20週以降からは推定体重が測定しやすくなり出産まで推定体重で発育を診ることになる。
・個々に腎臓の状態や胃の状態、心臓の状態、脳の中の状態などを診ていく。
・胎盤の位置関係などがわかり前置胎盤の有無がわかる。
・おなかが張ったときなど、子宮頸管長を測定して、頸管無力症症状の経過がわかる。
・妊娠28週くらいから胎児の胎向(逆子かどうかなど)をみていく。
・妊娠32週くらいから羊水量を診ることで胎盤機能不全を想定しうる。
・妊娠10ヶ月では特に羊水量の測定は重要で毎回の超音波検査が一番有用と考える。もし異常があればNSTなどの検査も行う。
・産道を通るかどうかを超音波検査で評価する事がある:胎児が骨盤に比べて大きいとか回旋の異常が想定できるとかなどなど。
まだまだ、たくさんありますが、超音波検査はとても重要であるのは間違いなく、また、見て楽しいのも事実です。超音波検査抜きの検診はいろんな意味で「さみしい」と思っています。
楽しい妊娠生活とよいお産を!