分娩場所にはしっかりした違いがないのですが、医療施設をあえてわけるとすると大学病院・一般総合病院・産婦人科専門病院・産婦人科診療所・助産院になります。当院では分娩医療施設側がOKをだした妊娠週数まで妊婦健診を行っています。帰省分娩であっても妊娠9ヶ月くらいまで診察させていただいています。同様に助産院などは法的に緊急時用の受け入れ病院との正式な提携が必要で助産院では無理な状況に陥った場合、必ず助けてくれるバックアップ病院が存在します。それとは別に、日頃、何かとクリニック・病院レベルで検査すると便利な内容(貧血とか超音波所見の細かいところなど)など助産院にとって困ることが多く、その点に関して当院は数軒の助産院と連携をもって妊婦様を診察させていただいています。つまりこの状況は助産院のアットホームさに医療施設レベルの検査・診療(これを当院が受け持つ)、もしもの時には助産院から正式な提携病院へ、あるいは当院から3次周産期救急病院に直接母児搬送なども可能にしています。
また助産院の院長は直接妊婦様に携帶番号を教えていらっしゃるところが多く、連絡が常に取れています。また、当院も開院当初から365日24時間患者様と連絡がとれる状況にしていますので助産院と当院と提携病院の3者で妊婦様の管理はほとんど漏れなく常時となり、まさかの時でも常に診療が可能となっています。もちろん分娩を扱っている病院では当然常にオンコール状態なので連絡がつきますが、このように助産院でも同様に連携をとることにより可能になっているところもあるのを知っておきましょう。
一方、帰省分娩などの妊婦様に対し妊娠20週くらいまでで妊婦健診をやめてしまうクリニックなどでは、たいてい診療時間を過ぎた瞬間に連絡がつかなくなる所が多いです。
分娩施設が減っている昨今、助産院(当院と連携している)の方が診療のみを行っているクリニックよりも連絡がつきやすいという不思議なことが起こっているのも興味深いです。
2019.10.04