以前もここで書きましたが、未だに古い日母方式の記述のみで頚癌検査の結果を述べている施設を見受けます。混乱を起こすのでもう一度お知らせしたいと思います。2001年に米国のベセスダという地方都市で世界の子宮癌検診の結果表記を決定しました。4年前から日本では日母方式、つまり、クラス分類でⅠ、Ⅱ、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Ⅴであらわされていたものを変更するに至りました(横浜市の癌検診の黄色い紙にサインするとき見てみてください。下段に新方式とかかれてNILMとか書いてあります)。ベセスダの略語ではNILM、ASC-US、ASC-H,LSIL,HSIL、SCCと腺癌系に分けられています。
ベセスダ表記の一番よい点は、以前の日母方式ではクラスⅠだと1年に1回、Ⅲだと3回、だから・・Ⅱは2回というわかりやすくそして安易な理由から言っていましたが、実はクラスⅡには異常な「ASC-USのクラスⅡ」と全く問題ない「NILMのクラスⅡ」がありそれをしっかり区別しているところです。つまりNILMであればクラスⅡも異常がないものとして心配する必要がないだけでなく検査の周期も密にする必要性がありません。さらに、ASC-USの場合は(今話題になっている子宮頸癌の予防接種)HPVの予防接種と密接な関係にあり、HPVの感染があると頚癌になりやすくなるため、その検査を必要とするグレードに相当します。ただ、それ以上のグレードはそれぞれ管理・治療の対象なので医療施設で説明されると思います。
つまり一番出会うことが多い「NILMのクラスⅡ」と「ASC-USのクラスⅡ」は全く別物なので、もし、それを混乱するような説明だった場合は、さらに説明を求めるといいと思います。ただ、人間ドックで子宮癌検診の結果を「B判定」とか「評価C」とか、何を言いたいのかわからない表記をしているものありますが、これはいたずらに結果に対しての評価を混乱させるので、もしそのようなものであったら、ベセスダで何に相当しているのかをお聞きになったほうがいいです。
2019.10.04