医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2014年4月 インフルエンザのお薬

未だにインフルエンザに感染する方がいらっしゃいます。今年は流行が長引いている上に当院でもA型インフルエンザとB型インフルエンザの両方にかかって2回インフルエンザになった妊婦さんもいらっしゃいました。これに追加で以前言われた「新型インフルエンザ」まで含めると3回感染した方もいらっしゃるそうです。今年のインフルエンザはタミフルが効きにくくてリレンザでないと改善しない方もいらっしゃいました。この度、タミフルもリレンザも効果の無いインフルエンザ対しての特効薬として「アビガン錠(ファビピラビル製剤)」が平成26年3月24日に厚生労働省で承認されました。
しかし、この薬はインフルエンザに対して使用するのは今までの薬の効果がないことが大前提で、安易には投与されないと思います。インフルエンザに対しては非常に効果的なようですが、この薬は重大な問題を抱えています。この薬の副作用のため動物実験において妊娠初期に胎児死亡・胎児奇形が確認されていて妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、さらにコメントがついていて妊娠の可能性のある場合は妊娠検査を行ってからでないとだめな点、避妊も必ず実施するように指導する必要があるとのことです(ここまでうるさく言われる薬は珍しいです)。また、精液中にこの薬は移行するため、きわめて有効な避妊方法を選択しないと、妊娠した際、男性から「精子」+「この薬」のセットがくることになります(不妊症で治療中の方は要注意です)。また、妊娠中にこの薬を飲んでいる男性との性交渉は禁忌です。
よほど大雑把に薬を投与する先生で無い限り、妊娠のことに関して「口がすっぱくなるほど」言われてからこの薬が処方されるはずです。ただ怖いのはネットなどで海外から個人の自己判断で薬を購入したりする方もいるので、その際は厳重に注意すべきだと考えます。
最初から「奇型を起こします」といわれて承認された薬は久々でしたので今回述べさせていただきました(ちなみにタミフルやリレンザによる奇型の報告は聞いたことがありません)。

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