ミレーナとはIUS(intrauterine systemの頭文字です)という、避妊用の子宮内に装着するいわゆるリングです。
今までよく言われた避妊用のリング(IUD)は、挿入することによって物理的に妊娠しにくくすることがほとんど(一部銅線などが封入されたものもある)で、避妊の効果は低用量ピルには到底及びません。一方、低用量ピルは避妊効果が抜群でさらに月経量の減弱から月経痛にも効果があり、月経前の心身の変動、つまり、月経前症候群の緩和、ニキビの出現の抑制なども効果があり色々な意味で使いやすいものでした。しかし、低用量ピルには血栓症のリスクが常につきまとってしまっています。実際に亡くなられた方もいらっしゃるため厳重に管理していても、気持の上では心配される方も多いのではないでしょうか?
ミレーナは避妊用リングの軸部分に黄体ホルモン「のみ」を持続放出するペレットを仕込んであるため、一旦装着すると5年間の避妊の効果があります。さらに黄体ホルモン「のみ」の補充をされているため血栓症のリスクがありません。極端に言えば、血栓症の既往のある方でも装着可能です。一寸困る点は装着後半年前後までの不正性器出血がありますが、逆に、その半年以降の4年間から4年半の間はほとんど無月経になります。つまり、月経困難症や排卵痛、月経過多症などは全く起こらなくなることと子宮内膜症は5年間かけて治療したのと同等の効果を得られます。
近頃の低用量ピルで血栓症について不安に思われている方々にとっては福音です。今はまだ自費ですが適応症があるのならば今年の10月くらいから保険適応になって非常にコストパフォーマンスの高い治療法になると考えています。
かかりつけの先生に相談されるといいでしょう。
2019.10.04