不妊症の原因を説明する際に数年前までは3つを挙げていました。その3つとは「排卵してますか?」・「精子は元気ですか?」・「卵管は通ってますか?」です。でも、近頃は4番目のはなしをもっぱらお聞きすることが増えました。その4番目とは・・・「夫婦生活が普通にできますか?」ということです。私が医師になったばかりの30数年前頃、夫婦生活のタイミングの指導の際に「排卵日の前は禁欲しておいてくださいね」と説明したものです。そうでないと連日そして1日に数回も夫婦生活をしている方もいらっしゃったため精液が希釈された状態になる事があったからです。
現在は逆にタイミング法の指導をすると夫婦生活は1回のみで済ませたいという方が増えました。また、いわゆる「中折れ状態」となり射精に至らず終わるケースも増えています。特に「中折れ」の方が多くなり、そのことがきっかけになって夫側が自信を失い、今度は勃起不全になり、性交渉そのものもままならなくなった方もいらっしゃいます。先生に相談する際、この話は切り出しにくいとは思いますが、その点については当院では必ず最初にお聞きしていますが、自分から話すようにしないといけないクリニックだった場合は、がんばって話してください。
30~40年前には「夫婦生活をしないことが普通!という方」はすごく少なかったです。そういえば花粉症なんかもその頃そんなにいなかったです。社会全体に何かもっと根深い原因があるのかな?と考えている今日この頃です。
2019.10.04