不妊症の治療に際しての排卵についてはどのように扱うかは、どの方法での妊娠を計画してるかによって大幅に異なることがあります。体外受精を軸に考えている場合、極論すれば採卵できる時だけ排卵できれば(卵胞形成がありさえすれば)よいし、受精卵を戻すときだけ子宮内膜の状態をその時からその後のみを維持できればよいことになります。
一方、当院のように体外受精を実施しないレベルでの妊娠を計画する際は、できるだけ薬剤などの手を加えずに、毎月欠かさず排卵してくれ様にしていくのが理想です。当院に来院される方で月経周期が不順で排卵が遅れたり欠落したりする方の大多数が潜在性高プロラクチン血症が多く、それに甲状腺疾患が合併している場合が少なからずあります。
そのため、当院にて最初管理していたとき月経周期をきちんとすることが主眼となり治療していたのが、その後、体外受精の施設に転院して治療方法が変更になって不安になる方がいらっしゃいますが、基本的な妊娠という目標への侵入路が異なるだけなので心配はありません。
月経不順をきちんと精査して管理するだけで結構の方が妊娠されていますが、方法もいろいろですので、ご相談ください。
2019.10.04