妊婦健診は自費の診察ですが、いわゆる自費と言っても、ある常識的範囲内におさめるべき自費項目なので、何かを根拠に価格設定をしないといけないと私は考えています。以前もこのことを書いたのですが、マイナンバー制を受けて、しっかり固定させようと考えました。
妊婦健診の時、「診察をして」「尿の検査をして」「超音波検査を行う」を行うことが当院では基本になっています。血圧測定や体重測定は「診察」項目なのでそれに含みます。自費診療の定価というのはないのですが、非常に参考になるのが、健康保険での診療時の保険点数がいわゆる「定価」と見なすことができると考えています。それを参考に積算していきますと、「診察」は「再診料」を指すと考えますので、当院での再診料の保険点数は130点となります。尿中のタンパクや尿中の糖の検査は尿一般物質定性半定量検査のことですので26点です。超音波検査は530点となるのが基準です。つまり、妊婦健診で来院されて、お話を聞きつつ、状態を診察しつつ、血圧体重尿の検査をして、腹囲測定を実施し浮腫の有無を診て、超音波検査で胎児の状態を把握すると130点+26点+530点=686点となります。保険点数は一般的に1点を10円と計算することになっていますので、686点は6860円ということになります。腹囲測定や浮腫のチェックや内診の検査は「再診料」に本来含まれているものなので別途積算はしません。ですので、自費診療である妊婦健診料を保険点数を基軸に積算しますと6860円前後が妥当と考えています。
当院ではこの料金を安くすることも、また他の付加価値をつけたしたことにして、それ以上にすることも考えていません。あくまでも当院での考え方なので、セット料金として下げている施設もあるでしょうし、逆に付加価値をつけていると自認されて高めの金額設定の所もあるかと思います。それはそれで、有りなので、否定も肯定もしません。
ただ、参考になる基準計算方法があるのも知っておくといいかな?と思って今回書いてみました。
2019.10.04