医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
住所:〒224-0003 神奈川県横浜市都筑区 中川中央1-37-9 TNKビル2F 
電話番号:045-914-6560

コラム

2019.10.04

2019年8月 ペシャ・ポキッ:骨の話し

整形外科ではないのですが、今回、骨の話をします。
閉経すると骨密度が下がって骨粗鬆症になって骨折しやすくなると言われています。もちろんその通りなのですが、さらに骨自体に変化が起こっているのです。
閉経すると卵胞ホルモン(estrogen)が消失するため、いわゆる、更年期障害といわれる、多汗・イライラ・動悸等の症状のためつらくなることがあります。それ以外に、自覚症状がなくても骨密度の低下、コラーゲン線維の産生能の低下・高コレステロール血症の傾向になることがあげられます。
骨は日々、破骨細胞によって破壊され骨芽細胞で作られ刷新を繰り返しています。このバランス取りのマニュアルが卵胞ホルモンにあります。なので、いかに骨の原料のカルシウムを摂取しても簡単に骨にはなりません。設計図(卵胞ホルモンが担っている)が必要なのです。さらに、コラーゲン線維はアミノ酸から作られます。決してコラーゲンを直接食べて「この食事、コラーゲンいっぱい!だからお肌プリプリ~」っていうことにはなりません。摂取したタンパク質は一旦アミノ酸に分解され、そしてそのアミノ酸から「自分自身のタンパク」の一種であるコラーゲン線維を作らないといけません。そして、この作る過程のマニュアルを握っているのが卵胞ホルモンなのです。
そして、骨は骨単位といって骨の基本構造が束ねられています。骨単位の中に血管・破骨細胞・骨芽細胞とコラーゲン線維が存在します。骨粗鬆症は骨にスカスカになった状態でカルシウム構成が下手になって骨が圧迫でペシャッと潰れやすくなる原因となります。一方、コラーゲンは骨の「しなり」を維持するため、コラーゲンが維持されないと骨が軽度の「たわみ」すら、たもてなくなり,ポキッと折れやすくなります。
よって閉経後にはカルシウム利用法の下手さとコラーゲンの減少によって骨は加速度的に強度がなくなり、「たわみ」がなくなるので、ちょっとした外力でも簡単に折れやすくなります。このカルシウムとコラーゲンの状態を良くする方法は現時点では漢方やサプリではなく、女性ホルモン補充療法しかありません。もし興味があれば婦人科に受診されることをお勧めします。

tel.045-914-6560
一番上に戻る