この10年ほど、地域誌に毎月載せていたコラムです。内容的に少し古い記事もあります。
2019年10月 今もきっと変わらないと思うけど…
日赤病院勤務時は産婦人科のトップの立場でしたので色々なルールも責任をもって決めていかなければなりませんでした。その中の一つが帝王切開開始までの時間ルールでした。当時、学会報告からの医療訴訟事例で帝王切開開始までの時間を「1時間を限度とする」判例が多かったです。そのため、大学時代は最長1時間以内には帝王切開が開始できる様にすることが最低限のルールでした。結局は1時間ではなく、ほぼ30分以内に開始していることが多かったです。日赤病院の時のルールはさらに厳しくして30分以内に必ずできるようにして実際は15分以内でほぼ始められるようにしていました。予定の帝王切開は十分準備も可能ですが、通常の分娩経過中でも突然異常をきたし帝王切開を選択しないといけなくなることがあります。その時、30分以内という状態にするには,すぐさま産婦人科医の複数確保、助産師・看護師(産科病棟・手術室)の確保、麻酔科医の確保、手術室の確保、できれば小児科医の確保、家族への連絡方法の確保、当然本人への説明と同意が必要となり、結構色々なことをしないといけません。現在、近隣のクリニックの先生方もこのような条件を確保されているかと思います。
お産は基本的におめでたいことなので、「お産を取る」のは今でもしてみたいです。でも、「お産を取る」と言うことは、急変したときにすぐ手術が可能であるという条件を満たしていて初めて「正常分娩の介助ができている」といえるのであります。あまりにも色々な分娩を経験しすぎたせいなのかもしれませんが、緊急時の対応が可能である前提がないと「一人で分娩介助をできる!」と言い切れない自分がいます。
1時間以内に帝王切開までこぎ着けない状況下でも分娩を取り扱っている施設もありますが「頑張ってるな!」と言うより「急変時、どうするのかな?」という気持ちの方が先に立ちます。あくまでも分娩を取り扱っていた頃の産婦人科の時代の感覚で考えた意見ですので現時点では全く異なるのかもしれませんが・・・(でも、そんなに変わるものでもないかな…)。
2019年9月 ミレーナ…その後
子宮内に留置する黄体ホルモンの徐放(じわじわ継続的に、にじみ出る)ペレットのミレーナですが、健康保険適応になってから5年以上経過したため、交換においでになる方々が多数いらっしゃいます(現時点では再診料+挿入料+ミレーナの代金併せて3割負担で8960円だけです:これで5年間)。効果の程は過多月経と月経困難症の緩和ですので、多数の女性がその適応の方になります。おまけの効果は99.8%避妊、排卵痛の軽減、PMSの消滅傾向などが有り、最終的には無月経になっている方もいらっしゃいます。無月経は病的なことではないので,非常に楽になったと言われることが多いです。あくまでも、QOL(quality of life)の向上のために挿入していますので、残念にも不正性器出血がうっとうしくなってしまった方は抜去されることもあります。
よく似たものにOC(低用量ピル)がありますが、不正性器出血が少ない点がミレーナよりも優位に立っているのみで、コストが1シート(1ヶ月当たり)2000円台から3000円以上かかることも有り、さらに血栓症のリスクもあり、1年に採血検査含めて3万~4万円はかかります。つまり5年間で15万円から20万円かかってしまいます。
とにかく一番の気がかりがOCには命に関わる血栓症リスクがあるので、トータルではミレーナに軍配が上がるように感じます。
いずれにせよ楽になるので、色々婦人科クリニックで相談されるのがよいかと思います。ミレーナの交換(5年に1回の交換)の方が多数おいでになっているので、そのことを受けてまたミレーナの話を書きました。
2019年8月 ペシャ・ポキッ:骨の話し
整形外科ではないのですが、今回、骨の話をします。
閉経すると骨密度が下がって骨粗鬆症になって骨折しやすくなると言われています。もちろんその通りなのですが、さらに骨自体に変化が起こっているのです。
閉経すると卵胞ホルモン(estrogen)が消失するため、いわゆる、更年期障害といわれる、多汗・イライラ・動悸等の症状のためつらくなることがあります。それ以外に、自覚症状がなくても骨密度の低下、コラーゲン線維の産生能の低下・高コレステロール血症の傾向になることがあげられます。
骨は日々、破骨細胞によって破壊され骨芽細胞で作られ刷新を繰り返しています。このバランス取りのマニュアルが卵胞ホルモンにあります。なので、いかに骨の原料のカルシウムを摂取しても簡単に骨にはなりません。設計図(卵胞ホルモンが担っている)が必要なのです。さらに、コラーゲン線維はアミノ酸から作られます。決してコラーゲンを直接食べて「この食事、コラーゲンいっぱい!だからお肌プリプリ~」っていうことにはなりません。摂取したタンパク質は一旦アミノ酸に分解され、そしてそのアミノ酸から「自分自身のタンパク」の一種であるコラーゲン線維を作らないといけません。そして、この作る過程のマニュアルを握っているのが卵胞ホルモンなのです。
そして、骨は骨単位といって骨の基本構造が束ねられています。骨単位の中に血管・破骨細胞・骨芽細胞とコラーゲン線維が存在します。骨粗鬆症は骨にスカスカになった状態でカルシウム構成が下手になって骨が圧迫でペシャッと潰れやすくなる原因となります。一方、コラーゲンは骨の「しなり」を維持するため、コラーゲンが維持されないと骨が軽度の「たわみ」すら、たもてなくなり,ポキッと折れやすくなります。
よって閉経後にはカルシウム利用法の下手さとコラーゲンの減少によって骨は加速度的に強度がなくなり、「たわみ」がなくなるので、ちょっとした外力でも簡単に折れやすくなります。このカルシウムとコラーゲンの状態を良くする方法は現時点では漢方やサプリではなく、女性ホルモン補充療法しかありません。もし興味があれば婦人科に受診されることをお勧めします。
2019年7月 子宮頚部細胞診:液状化検体細胞診
子宮頚部細胞診、いわゆる子宮癌検診ですが、当院も今年4月からLBCに完全に移行しました。以前からも症例ごとにLBCを実施していましたが、すべての検査においてLBCに移行しました。
LBCとはliquid based cytologyの頭文字です。日本語に直訳すると液状化検体細胞診という意味になります。横浜市癌検診でも、サイトピックもしくは綿棒等で子宮頚部の細胞を擦過して採取して検査に出していたのですが、今年4月からはLBCを推奨されました。以前の採取法ですと採取した標本はスライドグラスに直接塗抹するため、必ず綺麗に散布・塗布しないと細胞が重なり合ってしまい、わかりにくくなります。また血液成分が混じると赤血球のせいで細胞診が行ないにくくなります。一方、LBCは採取を専用のブラシを使って子宮頚部・腟部を全面擦過しますので、もれなく全体から細胞がとれます。そしてそのブラシを専用の液体容器内で、はたくことにより細胞が液体容器内に浮遊します。その結果、赤血球は除外でき、細胞診のスライドグラス上には一層(かさならず)で塗布できます。そのため、エラーが極端に減少します。おまけの効果としてはその検体材料はHPVの検査も行えるので、もしも異常な細胞診結果でも、再度の検体採取は不要となります(内診台に2回乗る必要が無い)。良いことづくめです。ただ、一点問題があるとすると表面をブラシで、はたくので雑な歯磨きのあと歯茎から血が出るみたいな感じで1,2時間少量ですが鮮血が垂れることがあるだけです(必ず止まります)。
もし、お受けになった頸部細胞診がLBCなのかどうかは確認された方が良いかと思います。特に、人間ドックではどのレベルなのか気になるところです。子宮頚癌検診の精度という意味においてレベルで表すと、「自己採取法」<<<<<<「内診で綿棒・サイトピックにて細胞採取法」<<「LBC法」という感じです(LBC法が最良という意味です)。人間ドックはあくまでも人間ドックですので、この細胞診の精度差の存在があることを理解されておく方が良いかと感じています。
2019年6月 ホームページ
クリニックを開院して14年たちました。令和元年になるのを契機にホームページ(HP)を刷新しようかと思います(スマホ用にします)。現在、作成中ですので15年目になる6月頃にはリニューアルできているかと思います。クリニック開院当時、HPの内容について結構Q&Aについて今までの経験を踏まえて文章を考えたつもりでした。その当時、私の作った文章を他のクリニックにそのままコピペされてしまったこともありました。
一番の問題点は当院においでになられた患者様から今日の担当は田中先生ではないのですか?と聞かれてしまったことです。よくある「たくさんのベテラン医師がいる!」というのとは真逆の方針で当院では「診療内容が決してぶれない」様に「私(田中彰)一人で常に診療」をしています。何で他の医者がいるのかと聞かれたかというと、HPの私の画像が一昔前のものだからです。白髪交じりの今の私とは画像の点では異なるものだったからです。この画像のこともそうですが、真剣に作り込んだQ&Aもさすがに古くなってしまいました。
他のクリニックのHPも参考までにみてみると書き出しの表題も内容もみんなお互いほぼ似ていて特徴がわかりにくく感じました。この度、この14年間この港北ニュータウンで診療し続けていて当院が明らかに他院と異なる点が色々あるのに気づいたので、それを説明しつつさらに当院の特徴を前面に押し出してわかりやすい内容のHPにしたいと考えました。いわゆる「HP」っていう感じじゃなくなってしまうかもしれませんが、当院は「何ができて、何をしている」のかがわかる様にしたいと思いました。
楽しみにしていて下さい。
今年、国から男性に対して風疹の検査及びMRワクチンの接種を行えるクーポンが来ます。利用してみて下さい(当院も協力機関ですのでご利用下さい):今回はこの段落のみが医療関係の内容の文章です。
2019年4月 3D/4D「経腟」超音波画像
妊婦健診の時、超音波検査を行なうことにより、医学的には胎児及びその周囲の異常の有無を確認できるのは当然のことですが、ほとんどの方が特に胎児等に異常はありません。なので、超音波検査の目的は胎児が元気であることを確認できて、さらに胎児を画像で見ることによって幸せな気持ちになることがメインになります。そのため、できるだけリアルな画像を提示できたほうが更に良いと考えるのが自然の流れだと思います。現時点において最もリアル感を味わえるのが、3D/4D超音波検査となります。
ただ、経腹超音波(お腹の上から見る超音波検査)ですと、胎児が相当大きくなってきていますので子宮壁と胎児が接触している位置関係になると、分離して表現するのが非常に難しく、「ぬり壁」状態になってしまったり(子宮壁が覆う状態)、逆に深度を下げると胎児の内部構造のスライス面になってしまいます。そのため、別途有料で3D/4D経腹超音波検査を行なう施設では検査技師が時間をかけて、胎児が子宮壁から離れる時を狙って画像を撮っています(最新版器機では深度を変えて離れてなくても分離できるものもありますが)。
そこで・・・できれば3D/4D画像を撮ってあげたい。でも、時間をかけず、きれいにとれないかと考えた結果、胎児が子宮内で宙に浮いている状態である「経腟」超音波検査の時の3D/4D画像が良いと結論づけました。この度、経腟超音波(内診台での妊娠初期の)での3D/4D超音波検査を行える様に新しい器機に刷新させたところです。若干内診の時間が長くなりますが、当院での妊婦健診の方には希望があれば行なっています。
もちろん、当院では経腹超音波検査の3D/4D検査の時と一緒で、別途、3D/4Dの追加料金はいただかないので、その部分はある意味「タダ」です。結構綺麗にみえるので子宮の中で胎児が動いている姿を動画で見てみて下さい。さらにUSB経由で動画を保存できる様にしていますのでUSBメモリーも持ってきて下さい。
あまりにも綺麗な画像なので、お伝えしたくて仕方なく書きました(ちょっと宣伝入っているのかな?)。
あと、2019年のGWは10連休ですが、5月1日と5月2日は通常に近い時間枠で外来をしています。
2019年3月 今年のGW10連休
平成から新しい元号に切り替わる時期に今年のGWが充てられています。そのため、色々な配慮のもと、10連休になるそうです。ただ、医療関係にはその期間に出来るだけの対応を要する指示が医師会などから来ています。当院では元々365日24時間、かかりつけの方の「救急要件」については対応をしています。しかしながら、救急で無くても定期健診・特に妊婦健診は10日間も空けられない状況になります。妊娠20週以降からは2週間に1回、妊娠36週以降は毎週健診する方が良いことになっています。また、妊娠ごく初期はGS(胎嚢:赤ちゃんの入っている袋)が見えるか見えないか、その結果によっては異所性妊娠の可能性もあることになります。GSはみえるけれど、その後、胎児を認めなければ枯死卵(袋だけで胎児がみえない流産)などの診断も1週間間隔で診ます。つまり、10日は長すぎる休みとなります。当院は元々、お正月もお盆もこの半分以下の日数しか休みを設定していません。救急患者に対しては今まで通り常に診ているので大丈夫なのですが、定期健診であってもこのGW中に通常診療を実施しないと医学的に危険であると考え、少なくとも5月1日と5月2日には外来を行なうことにしました。あまりに予約が多ければもう1日増やすか悩み中です。
GWであっても、出血が止まらない、腹痛がひどい、胎児が元気であるかどうか?などなど、対応しなければいけないことは「待ったなし」なので休んでいられません。医学的要件は社会的要件に優先すると考えています。
何でこんなに長くするのかな(個人の休みが長いのはかまわないのですが、社会全体でこの休暇期間を設定してしまうのは一部の人を除いて相当歪みを生じます)?
2019年2月 インフルエンザ
新薬のゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル:1回投与で良い薬)に対しての感受性低下ウイルスが検出されました。去年3月から使用可能になったお薬です。現時点(平成31年1月30日現在)では,あくまでも感染していたウイルスの中にこの薬が効きにくいウイルスがいただけで、効かないウイルスのみが感染して流行っているわけではありません:今のところ・・・。タミフルやリレンザなども耐性をもったウイルスはいるにはいますが、非常に少数です。ゾフルーザは小児ですと4分の1弱に耐性が認められるようです。つまり、ゾフルーザを服用した4分の1くらいは効きにくい可能性があります。先にも話したように、感染したウイルスがすべて耐性ウイルスのみであるという意味では無く、感染したウイルスの中に耐性ウイルスが混じっているという状態ですので、正確には効きにくいという表現に今は相当します(ちなみにタミフル・リレンザとゾフルーザは作用機序が全く異なります。そのため、タミフルやリレンザは予防薬として効果がありますが、ゾフルーザには予防薬の効果はありません)。
時期的・地域性を考えると「受験生」を忘れることは出来ません。ゾフルーザは1回で良いので便利な感じですが、症状が長引く耐性ウイルス(「横浜」で実際の人体から検出された)が認められた以上、以前からのタミフルやリレンザの5日間服用する方が確実性があります。もちろんゾフルーザは著効すると以前からの薬より早く効果が得られるという報告がありますが・・・。当院へ月経と受験の相談においでになられた方には必ずインフルエンザの予防接種をおすすめしていましたが、予防接種をすれば重症化は防げる傾向にありますが、発症しないわけでは無いので、その際は治療薬を選択しなければなりません。以上のような差があることを考えて選ばれる方が良いかと思います。受験の時は自分の能力を100%発揮させてほしいから・・・。
ちなみに妊娠中の方には重症化になりやすい傾向にあるのでタミフルやリレンザを処方します。ゾフルーザは国内的にも妊婦への使用頻度が未だ少なく、もう少し時期をみて使用するかどうするかを考えている次第です。
内科医みたいな話になりましたが、受験生や妊娠中の方の事が気になって書きました。また、ずっと前にお話ししたアビガン錠(インフルエンザの薬だけど催奇形性がある)の話とは無関係です。
2019年1月 EBMとQOL
明けましておめでとうございます!
今回はEBM(evidence-based medicine)とQOL(quality of life)について述べます。
逸話(こんな極端な事例は実際にはまず無いけど)の様な事を述べますと、頭痛患者がいて、とある医療施設に行って、痛み止めを一杯もらって「頭痛治って良かったね」といわれて、脳腫瘍や脳卒中などを見逃されるパターンと、逆に頭痛があるので検査しましょうと言われてCTやMRIや脳血管造影などをされて「脳腫瘍や脳卒中などはないですよ、良かったね」といわれて頭痛はそのまま放置され帰された。共にどちらの医者にもかかりたくありません。「頭痛という症状のみ」に視点を置けば痛み止めで十分良いわけですが「頭痛を起こす疾患」に視点を置いてしまって、それを見つけて治療するという意味でいえば脳腫瘍や脳卒中などの精査は絶対に必要となります。つまり頭痛だけで言えば痛み止めはEBM上もQOLも良いのですが、「頭痛の原因を知る」という視点におくとEBMとQOLの乖離がある様に思えます。EBMのみなら原因検索して異常なければ痛みを消す必要はないし、QOLだけに注目すると痛み止めだけ出せば十分ということになります。
最近EMBの事ばかり持ち出される場合、問題となるのは患者自身が実際何を求めていてEMB&QOLを共に良い方向にしたいのかをみないで一方的にEBMのみに焦点を置いて治療方針を決定されていることを見受けます。
産科で言えば子宮収縮抑制剤(俗に言う張り止め)がそれに当ります。早産を予防する効果は現在処方されている頻度で言うと「飲まなくたってそんなに早産しない」というEvidenceがあり、それに基づいて張り止めの薬をよほどでないと「決して処方しない医者」がいます。一方「ちょっと張るなら楽になるからといって、その薬を処方する医者」がいます。しかしEBM&QOL両方の立場で説明すべきだと思います。私なら「張り止めの薬を飲んでも飲まなくても早産のリスクはあまり変わらないというデータがあります。しかし、飲まないで通常の生活をしていると、子宮が硬い・お腹が張って痛い、ひいては妊娠生活そのものに非常な不安を感じることがありますので張りを感じない方が生活の質は改善します。その意味においてこの薬の副作用も鑑み、飲むか飲まないかを決めて下さい。どちらを選んでもその後の状態の管理について手伝いますから」というのが良いかと思っています。
EBM:根拠に基づく医療、QOL:生活の質の管理を意味します。
2018年12月 「じいじ」・「ばあば」の風疹問題
風疹の話をまたします。
さすがに今流行っているので…妊娠されている方や今後妊娠するつもりの方で風疹抗体を知らない方は少ないと思います。また、その御主人も抗体があるか気にされる方は多いと思います。
今回の話の対象は妊婦さんやその御主人ではありません。核家族化していて同居してない(胎児からみての)「じいじ」や「ばあば」の話です。「じいじ」や「ばあば」は、はっきり言って過去の国策上の問題で予防接種をしていないことが多く風疹の抗体が無いことが多いのです。
本人が風疹になったり、特別に自主的に予防接種を受けていないかぎりは、日本人の「ばあば」は1962年4月2日より前に生まれていたら風疹抗体を持っていません。1979年4月2日以前に生まれていたら、1回だけ風疹の予防接種を受けているはずですが、受ける当日に風邪でもひいて受けそびれていると抗体がありません。日本人の「じいじ」にいたっては1979年4月2日より前に生まれたのなら、抗体がありません。
風疹の感染を防ぐのはマスクや手洗いではなく予防接種のみです。
孫を妊娠した!おめでたい!悪阻がつらいそうなので手伝いに行ってやろう!などなど、、、よかれと思って子供達夫婦の所に出かけて行かれるとき…ちょっと待って下さい!!!抗体のない年齢層もしくは予防接種受けたか不明という方は先に検査をしてから行きましょう。役所の補助の対象者は妊娠希望の女性やそのパートナーを無料で風疹検査できるのですが、本当は全く抗体の無い人たちを対象として検査しないのは、おかしいな?と思っています。
よかれと思って妊娠中の夫婦の所にお祝いに行った時に風疹ウイルスというお土産まで持って行ってしまうこともあり得ると知っておきましょう。とても怖いお話でした。当院ではその話をしています。