医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
住所:〒224-0003 神奈川県横浜市都筑区 中川中央1-37-9 TNKビル2F 
電話番号:045-914-6560

婦人科診療

子宮がん検診

子宮癌(子宮頸癌と体癌の二種あります)の検査は少なくとも年1回お受けになられていられると「進行したがんでの発見」という不幸な結果にはならずに済みます。
他のがんと違って、塊(かたまり)で発見されるのではなく、コルポスコープを併用し細胞レベルでがん検査が行えるので、ごく初期で発見できます。また、卵巣がんも経膣超音波検査を行うことによって小さな変化で発見できます。
人間ドックの婦人科検診もがん発見に有用ですが、当院で行うがん検診は、ドックのようなスクリーニング検査ではなく、あなた自身を一個人として診ていく検診ですので、ドックでの検診以上の安心感が得られます。
また、当院は横浜市子宮がん検診の指定医療機関です。子宮頸がん・体がんの両者の検査を同時に行えます。さらに子宮体がんの検査は子宮内に検査チューブが挿入されるため軽い痛みがあることがありますが、当院では挿入方法に工夫があるので、よく言われるような疼痛(強い痛み)はまずないと思われます。
High risk HPVの検査も同時に行えますのでご相談ください。HPVは子宮頸がん発生の強い要因となります。またHPVに対しての予防接種を行うことも説明します。

子宮内膜症

子宮内膜症は子宮の内膜が異所性に子宮の壁の中や卵巣内部や腹膜上に存在して、月経時に場違いなところでの出血を起こすことで起こります。
つまり腹膜上ですと腹腔内出血を起こしたことと同じになりますので疼痛が起こります。また出血している期間中ずっとなので、月経期間が5日間あれば5日間全部痛いことが多いです。もっと悪化すると月経時でなくても痛みが出ます。
子宮壁内の場合は子宮内膜症の子宮バージョンで子宮腺筋症といわれ子宮がはれ上がります。それに伴い月経過多症になったりします。
卵巣の場合は、子宮内膜症の卵巣バージョンでチョコレート嚢胞といわれます。卵巣の内部で内出血を繰り返すので、古い血液が貯留して卵巣が腫れ上がり、内部にまるでチョコレートのような色合いで存在します。良性なのですが、将来的に癌化するかどうかは現在産婦人科学会で検討中のものです。また内容物からインターロイキンが出て、精子の運動性を抑制して妊娠率を下げるのではないかともいわれています。
腹膜上のものは、子宮内膜症の腹膜バージョンで凍結骨盤といわれることがあります。月経のたびに腹膜上に出血するため、その出血を覆うため、線維素が出て、骨盤底が凍てついたかの如く極端な癒着を起こします。卵管を巻き込んで不妊症の大きな原因ともなります。
子宮内膜症は痛みだけを消しても根本的には治療できていません。上記の状態はどんどんひどくなります。月経があることが悪化の原因になるため、月経が来ない状態を作ることで治療をします。子宮内膜症の方の置かれている状況と病状の進み具合で治療方針を決めていきます。
ただ、月経困難症、つまり生理痛で、すぐ、子宮内膜症と診断されている場合、ちょっと検討が必要です。内膜症ではないかもしれないからです。一歩立ち止まるのはありですので。

おりもの

おりものが多いと性病?と考えてしまう方が多いです。いろいろな要因でおりものが増えることが多く、特に排卵日は生理的におりものが増えます。実際は頸管粘液が出て精子を通しやすくしているだけですが。においが気になるという方もいらっしゃるのですが、もともと若干においを伴っているものなので診察すると正常な方が多いです。ただ、においを伴うものであることに気づいてしまっただけかもしれません。しかし、いったん心配になってしまうと膣細菌叢の検査・クラミジアの検査などをして差し上げて、全く異常ないことを示してあげないと解消しません。心配な方はおいでください。

子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣腫瘍の管理

この疾患は、手術をするのか他の治療方法があるのかということでよく相談を受けます。 子宮筋腫(子宮肉腫を除外診断して)・子宮内膜症は、年齢(閉経に近いのかどうか)、挙児希望の有無(妊娠する子宮を必要としているか?)、筋腫核が子宮内膜に近いかどうか、もしくは、膀胱を裏から圧迫しているかどうかなども考慮して方針をそれぞれのメリット・デメリットとともに提案します。

卵巣腫瘍は、当然卵巣がんを除外した上で、手術の方針とするべきかどうかも提案します。例えば、6.5㎝大の卵巣腫瘍があったとしましょう。大きくなってしまうかもという心配ももちろんですが、一番重要なのは卵巣嚢腫の茎捻転を起こし得るかどうかということです。
茎捻転を起こすと睾丸を一発蹴られた痛みではなく、睾丸を蹴られっぱなしの痛みとなります。つまり、痛みの極致になり、動くこともできません。もだえるだけです。
時間がたってしまうと卵巣の血流が途絶えて卵巣腫瘍の腫瘍核だけをとる核出手術ではなく、その卵巣全部を摘出することになってしまいます。ちなみに直径5㎝を超えると茎捻転を起こす可能性が出てきます。でも、8㎝位から急に茎捻転を起こしやすいサイズになります。従って、6.5㎝だと茎捻転を起こすことはあるけれど、稀であり、いつか手術しましょうねというレベルに相当します。
しかし、妊娠中は子宮が大きくなり腹腔内にスペースのゆとりが減るため5㎝超えていると茎捻転の可能性が急に跳ね上がる傾向にあります。もし妊娠中に茎捻転を起こすと、痛みだけではなく、流産の可能性まで伴います。また妊娠中の手術の際「子宮は極力触れないし、流産しないように尽力します」といわれます。ですので、妊娠する予定があって6.5cmなら手術を先にしておくのも選択肢の一つになります。そのため、ご本人の置かれている状況によって手術の適否が決まってくることがあります。
一方、卵巣腫瘍のように見えて機能性嚢胞と言ってホルモン的に卵巣がはれたり排卵時に内出血して腫れたりしているだけのものを「手術する」といわれることがあります。その場合は慌てず時期をおいて再度見ると消滅するものもありますので、卵巣の腫れについては相談ください。

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