不妊症について
以前は2年以上、妊活しても妊娠に至らない方を不妊症として扱っていましたが、現在では妊娠を希望した時点で不妊症として扱います。原因としては4つの因子があります。
第一の因子は現代の日本人には多いのですが、性交障害です。今日排卵日だよとご主人に告げるといまいちいい返事が返ってこないとか、仲良しする(性交)のが面倒と思ってしまうということです。そもそも「タイミング取ってます」というのは仲良しするのがイベント化してしまって、日常生活の一部になっていません。なので億劫になります。40年ほど前の日本人や現在の外国人の方に排卵日を教える時はその数日間禁欲してくださいとよく言っていましたが、今はその逆です。いまいち仲良しするのが面倒になって、、、というのは全然珍しくなくなっていますので面倒くさくなってたら必ず医師への報告してください。検査はないので自己申告のみです。
2つ目は精子についてです。精液検査や女性側の抗精子抗体(精子不動抗体)のチェックもありますが、とりあえずはヒューナーテスト(性交後の膣内の精子の数と運動性チェック:コスト安い)で判断します。
3つ目は排卵の有無です。これは基礎体温と月経周期と卵胞チェックで排卵の有無を見ます。排卵障害がある場合、潜在性高プロラクチン血症が原因のことが多いです。
そして4つ目は卵管通過障害の有無です。当院ではインジゴカルミンを使った色素通水を行っています。
これらの4つの因子はすべてそろわないと通常の性交渉での妊娠はできません。
当院の傾向ですが特に多いのは月経不順で基礎体温がガタガタだった方(潜在性高プロラクチン血症)はきれいな排卵周期に戻すだけで妊娠されます。ただ、それでも妊娠に至らないケースは体外受精治療が可能な施設に相談の上、紹介させていただいています。当院では体外受精は行っていません。人工授精はnatural AIHまでで精液の処理を伴うものは行っていません。